まず最初にお伝えしたいのは「Webデザイナーが辛いなら、我慢しないで辞めていいんだよ。」ということ。
一番避けたいのが、体を壊したり精神的に病んでしまうこと。
自分が思っている以上に選択肢は多いので、一度立ち止まって将来のことを考える時間を取ってください。
- 「Webデザイナーを辞めたいけど、本当に良いのかな?」
- 「辞めた後はどうすれば良い?」
- 「未経験の職種に転職できるのかな?」
といった様々なお悩みに、Web業界を20年以上経験してきた私がお答えしていきたいと思いますので参考にしてみてください。
WEBデザイナーを辞めたい理由を整理しておこう
「WEBデザイナーのまま会社を変われば解決する問題なのか、それとも仕事自体が嫌なのか?」を整理しておく必要があります。
私は本当はWEBデザイナーの仕事自体が嫌になっていたのにもかかわらず、それに気付かないふりをしてWEBデザイナーのまま会社を転々としてきたので、いつまで経っても辛さが解消されず、20年くらい苦しみました・・・
今WEBデザイナーを辞めたいと思っている若い人達には同じ思いをしてもらいたくないので、「自分がWEBデザイナーを辞めたいと思っている理由は何なのか?」をきちんと把握しておくことをおすすめします。
WEBデザイナーが辛い主な原因
WEBデザイナーが辛い主な原因
- 納期との闘いで、とにかく残業が多い
- その割に年収は低い
- クライアントに振り回される
- デザインだけじゃなく、コーディング・プログラミング・マーケティングなどの知識も必要で業務範囲が広い
- 新しい技術やトレンドに追いついていかなくてはいけない
このうち1、2、3については、WEBデザイナーのまま違う会社に転職すれば解決する問題である可能性が高いですよね。
4、5の場合は、職種を変えることを考えましょう。
選択肢は大きく分けてこの4つ
4つの選択肢
- Webデザイナーのまま、他の会社へ転職する
- Webデザイナーの経歴が活かせる職種で転職する
- Webデザイナーを辞めて、異業種に転向する
- 会社員を辞めてフリーランスになる
私はこの4つのすべてを経験済みなので、実体験も交えながら詳しく解説していきます。
Webデザイナーのまま、他の会社へ転職する
WEBデザイナーをやめたい理由が、「残業が多い」・「年収が低い」・「クライアントに振り回される」といった環境面の場合は、条件の良い会社に転職することで解決できる可能性があります。人間関係が悪い場合も同様です。
「仕事自体は好きなんだけど、今の環境が辛い・・・」という場合は、Webデザイナーのまま条件や環境の良い会社に転職することを考えましょう。
最悪の環境にいる人ほど「これが普通なんだ」と思い込みがちですが、WEB業界はブラックとホワイトの差が激しいです。
最悪の環境からピュアホワイトな最高の環境に転職できて開花する人もいるので、今の悩みと解消したい問題点について、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談してみると良いと思います。
Webデザイナーの経歴が活かせる職種で転職する
職場を変えても「年収が低い・拘束時間が長い」といった不満が解消できない場合は、WEB業界の他の職種で転職するという選択肢もあります。
例えばWebディレクターやマーケッター、エンジニアなどです。
年収は上がりますし、デザイナーに比べたら拘束時間も短くなるはず。
WEB業界内での転職なら、デザイナーの経験は大いに活かせますから、転職活動をするうえでの武器になります。
Webデザイナーは先細りの職種ですから、定年までデザイナーでいけるとは思わないほうが良いです。
今後もWEB業界で生きていくと決めているなら、他の職種を経験しておくことは無駄にはなりません。
私はデザイナーからディレクターになった際には、デザイナーに配慮できるディレクターとして重宝されましたし、Webマーケティング職の経験は、その後のキャリアパスに大きな影響を与えてくれました。
「Webデザイン以外絶対にやりたくない!」という強いこだわりがないのであれば、一番おすすめの方法です。
「自分の経験で通用するのかな・・・」と不安な場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談してみると良いでしょう。
Webデザイナーを辞めて、異業種に転向する
「WEBデザイナーの仕事自体が嫌。自分に合っていない」という場合は、思い切って異業種に転職することを考えましょう。
私は本当はずっとWEBデザイナーの仕事自体が嫌になっていたんですよね・・・そこに気が付かず、WEBデザイナーのまま会社を転々としてきたので、20年くらい苦しみました・・・
今はフリーランスで細々とWeb関係の仕事を続けつつ、メインの収入は事務職に。
Webデザイナーって時間との闘いなので、時間に対するシビアな考え方やスピードと正確性を両立させるやり方が嫌でも身に付きますよね?
その点が今の事務職でかなり評価されています。調整が主な業務の事務職なのでディレクターの経験も活かせています。
精神的にすごく楽になって、「もっと早くWebデザイナーを辞めていれば良かった・・・」と思ったくらいです。
WEBデザイナーのキャリアが長くなればなるほど、「ここで辞めたら今まで積み重ねてきた経験が水の泡だ・・・」と、なかなか損切りできないものですが、嫌なものを続けても精神的に消耗するだけです。
いったん異業種に転職してみて「やっぱり自分にはWebデザイナーが合っていたんだ。」と分かることもあると思います。
今後の可能性にじっくりと向き合い、将来を考えるためにも、一度今の仕事から離れてみる経験をしても損はありませんよ!
会社員を辞めてフリーランスになる
どの会社に転職しても「残業が多い」・「年収が低い」・「クライアントに振り回される」・「人間関係の悩みが絶えない」という場合は、思い切ってフリーになる選択肢もあります。
Webデザイナーの仕事自体が合わないと感じている人も、フリーランスになることで道が拓ける場合もありますよ。
結果的にはWebデザイナーの仕事が向いていないと分かった私ですが、途中でフリーランスになったことでだいぶ楽になりました。
自分の苦手な仕事を避けられるようになったからです。
業務範囲が広いことやトレンドを追い続ける点が苦痛だったのですが、自分の狭い知識でできる仕事に絞ってもそこそこやっていけることに気が付きました。
さらに「会社に強制されてやっている」のではなく「自分のためにやっていて報酬はそのまま自分の懐に入ってくる」と思えば、多少の苦手意識も吹っ飛びます。
朝起きて夜寝るまでの時間をどれだけ仕事に割くのかも自由です。
会社勤めの時とは比べ物にならないくらいストレスフリーで仕事ができるようになり、意欲も取り戻せました。
ただし、いくらデザイナーのとしてスキルが高くても仕事がなければ収入はゼロです。
「どうやって仕事を取ってくるか」について目星を付けてから独立に踏み切るようにしましょう。
まとめ
私がこの記事でお伝えしたかったのは、「Webデザイナーが辛いなら、我慢しないで辞めていいんだよ。」ということです。
「デザイナー」という言葉がついていることで華やかなイメージがありますが、実際はとんでもなく過酷でストレスの多い仕事です。
精神的・肉体的に消耗して辞めていく人を何人も見てきましたし、私自身もそうなりました。
まじめな人ほど「辛いから辞めたいなんて甘えじゃないか・・・」「今やめたらこれまで積み重ねてきたことが無駄になる・・・」と思って必要以上に我慢する傾向があります。
ですが一番避けたいのが追い詰めすぎて、精神的に病んでしまうこと。
自分が思っている以上に選択肢は多いし、どんなにバカな選択をしてしまったとしても、その経験は絶対に無駄にはなりません。
自分できちんと判断できる健康的な精神状態のうちに、自分の置かれた状況をしっかりと把握し、今後の可能性にじっくりと向き合い、将来を考える時間を取ってください。
一度立ち止まることで見えてくる何かがあるはずです。